都高進より「大学進学指導研究協議会」開催(12月)のご報告
令和4年12月8日(木)に令和4年度「大学進学指導究協議会」を工学院大学高層棟3階アーバンテックホールにて開催いたしました。
第Ⅰ部では「2023年度大学入試動向と受験直前期の指導法~共通テスト、一般選抜に向けて~」をテーマに駿台予備学校池袋校校舎長の小林英人氏にご講演いただきました。2022年度の共通テスト総括として志願者数は4年連続で減少したものの、受験者数は増加し、受験率も回復傾向にあるとのこと、内容面に関しては、2021年度入試よりも大きく難化し、特に「数学ショック」が受験生を直撃した。英語と国語の問題に関しては、前年度の傾向を踏襲していたとのことでした。共通テスト3年目となる2023年度入試においては、過去の新テスト導入時と同様、難しくなることが予想されるとのことでした。私大入試に関しては、2022年度と同様に職業直結型の学部に人気が集まる傾向があり、文低理高の状況は変わらず、文系学部で志望者指数アップの大学はないとのこと。理学部系は農・水産系が人気。志望者数の減少(特に既卒)と受験機会拡大で、2023年度入試は1つ上を狙える年になるとのこと。ただ、現高3生は高校入学時から分散登校やオンライン授業対応等、新型コロナウイルス感染症の影響を最も受けた世代であり、授業時間の減少から基礎学力不足の懸念も心配されるとのことであった。このような状況下で2023年度はデータサイエンスを始め学部・学科を新設する大学も多く、特に情報科学、情報工学、総合情報学などの増加が目立っているとのことでした。
第Ⅱ部では講師に工学院大学情報学部情報デザイン学科教授の田中久弥氏をお招きし「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度による新しいデジタル人材育成」をテーマにご講演いただきました。これからのDX時代の中核を担う人材を輩出する大学の学部・学科としての取り組みや、高等学校における「情報Ⅰ」の必修化を通じて高等学校に期待すること等についてお話しいただきました。これからの社会においてどのような人材が必要とされるのかを具体的にお話しいただき、特に「情報Ⅰ」で取り扱う単元について「全員が全てを理解する必要はないけれども、今後DX社会に身を投じることになる高校生は言葉として知っておくことが大切」という一言は高校現場にいる私たち教員にとって非常にわかり易く、考え方を改めるきっかけとなる言葉となりました。
お忙しいところご参加いただきました皆様、ご協力いただきました工学院大学様にこの場をお借りし御礼申し上げます。ありがとうございました。
東京都高等学校進路指導協議会(都高進)事務局