都高進より令和5年度「大学進学指導研究協議会」開催のご報告
令和5年12月8日(金)に令和5年度「大学進学指導究協議会」を工学院大学高層棟3階アーバンテックホールにて開催いたしました。
第Ⅰ部では「2024年度大学入試動向と2025年度新課程入試について~一般入試と総合型入試の行方~」をテーマに駿台予備学校教育支援事業部副統括の新井智恵氏にご講演いただきました。
まず大学入試の現状として、受験人口は1992年をピークに年々減少を続け、現在はピーク時の約半分(約53%)であり、私立大学の約半数(53.3%)が定員割れを起こしている状況とのことでした。
次に、国公立大学志望者の動向としては難関国公立大学、関東主要国公立大学ともに志望者指数は減少しており、その背景として受験生のほとんどはコロナ禍中に高校生活を送っており、基礎学力不足のため5教科に取り組むだけの余力を備えた生徒が少ないことが挙げられるだろうとのことでした。
私立大学における系統別志望動向を見てみると、多くの系統で減少傾向が続いており、特に外国語、法、教育・教員養成の分野での減少が著しいとのことでした。大学別の志望者指数に関しては、早慶はともに減少傾向、青学についても様々な入試方法があることが要因となり大幅減少であるとのことでした。そのような中で、上智は前年度から導入した共通テスト(3教科型)での受験が可能なことを要因として志望者が増加傾向にあるとのことでした。
女子大に関しても多くの大学で志望者指数が減少しており、募集に苦慮している様子が伺えました。
受験校選定のポイントとしては「入れる大学」ではなく「入りたい大学」を選択することが大切で、自らチャンスを放棄せず、「入りたい大学」への志望を貫き、最後まで諦めないことが志望大合格へのポイントであるとのことでした。
受験直前期の指導法や併願の仕方、過去問の活用法などについてもお話しいただき、非常に有意義な情報を得ることができました。
2025年度新課程入試に関しては、国立大で「情報」を全学で全く利用ない大学はなし、公立大においては全学で全く利用しない大学は12%、選択科目として利用が51%、全学で必須科目とする大学は16%とのことでした。私立大学の状況としては、一般方式において大きな動きは現在のところなく、共通テスト利用方式において他教科との選択として利用するケースが大多数を占めるとのことでした。
第Ⅱ部では工学院大学学生プロジェクトの活動紹介として「理工学に関する創造活動を行う工学院大学学生プロジェクト」のタイトルの下に、自動車メーカーでの研究開発を幼い頃からの夢としていた学生がプロジェクトでの活動を通じ、社会人としての基礎的スキルであるコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力、発想力等を身につけ、入学時から念願であった自動車メーカーへの就職内定を得るまでの充実した学生生活についてお話ししてもらいました。発表の中で語られていた「夢は諦めなければ必ず叶うので高校生にも頑張って欲しい」という言葉はぜひ私たちが日ごろ接している生徒にも聞かせたい一言でした。
お忙しいところご参加いただきました皆様、ご協力いただきました工学院大学様にこの場をお借りし御礼申し上げます。ありがとうございました。
東京都高等学校進路指導協議会(都高進)事務局